お知らせ

令和元年度 第1回N-HECを開催しました(7月20日)

2019年7月22日 月曜日

令和になり、第1回目の学習会を開催しました。

今年度は学習会開催施設の都合等から第1回目が7月とやや遅いスタートになりました。今年度も、小さな一歩を重ねて前進していきたいと思います。

今回、抄読した論文はCarol Picardの論文(Nursing  Science Quarterly ,13(2),2000,150-157)「Pattern of Expanding Consciousness in Midlife Womed:Creative Movemenr and the Narrative as Modes of Expression」です。

これは、創造的な運動とナラティブという方法で自己のパターンを認識を支える実践研究でした。

これまで、語ることで自己洞察しパターン認識していくプロセスを多くの文献で学んできましたが、体を使って表現することがどのようにパターン認識に繋がるのか興味深いものでした。この運動はグループで行われており、自分の運動を他者に見られるということが重要なのだと言います。

日本人の(私の?)感覚ではみられることが恥ずかしいと思いがちですが、見られる=受け入れられているという安心できる環境として意味があるようです。

この論文では、インタビューによる人生の意味深い出来事に関する語りの逐語録と運動のビデを録画を丁寧に照らし合わせ、「表象図」を描き、参加者にフィードバックするという方法でした。

参加者が個々の人生をどのように表現したのか、細かな描写があり、学習会に参加したメンバーも同じようにポーズをとるなどして、イメージを膨らませました。

抄読後は、「空間・時間・運動」というパターンの要素についてこれまで学習してきたことを振り返りながらディスカッションしました。

今回のように、意図的に体の動きで表現することは日常では殆どありませんが、私たちの何気ないしぐさや行動にパターンは表れていることを再認識しました。

以前、遠藤先生が「離れたところから、後ろ姿でもあの人だって分かるでしょ、動きや身だしなみといったその人が表れているのよ」と教えて頂いたことを思い出します。

今回の学習で「空間・時間・運動」の概念について理解が少し進んだように思います。

 

 

 

H30年度 第7回N-HECを開催しました(1月12日開催)

2019年1月15日 火曜日

2019年がスタートしました。

今回は、新年会で参加者の皆さんと食事をしながら様々なお話をして親睦を深めた後

昨年12月18日にご逝去されたニューマン博士の功績を称え、対話を持ちました。

「ニューマン理論との出会いは、患者さんや看護の見方を大きく変えた。これは、日々の看護実践に活かされている」

「これまで看護実践で大事にしてきたことや学んだことを言葉にしてくれる理論に出会えた」

「これまで理論は臨床にはあまり関係がないことだと思っていたが、理論によって看護が変わることが分かった」

など、それぞれがニューマン理論に対する思いを語りました。

ニューマン理論に魅了される看護師がいる限り、理論は発展していきます。しかし、理論は実践で使わなければ発展しません。

私たちも、理論を学んで自分の理解にするだけではなく、実践に一歩踏み出さねばならない、と思いました。

その後は、「ケアリングプラクシス」の第9章を抄読しました。この章は、認知症と共に生きる人のパターンについて書かれています。

認知症の患者さんの"やすらぎ環境”とはどのようなものか・・・

抄読後の対話によって、施設入所などの環境の変化は認知症患者のパターンと衝突を起こし、結果としてせん妄などを引き起こすこと、

患者さんがどのような人生を辿ってきたのか、今どのようなことを好み、大切にしたいのかを知ることで、

その患者さんを理解することが非常に重要であるということが分かりました。

患者さんのパターンが分かれば、どのように日常生活を支援するとよいのか、自ずと見えてくるのではないでしょうか。

様々な状況にある患者さんや家族に対し、ニューマン理論の適応可能性を今後も考えていきたいと思います。

 

 

H30年度 第6回学習会を開催しました(12月6日開催)

2019年1月15日 火曜日

今回は、11月のニューマン理論・研究・実践研究会の対話集会での発表報告と事例検討を行いました。

対話集会では、N-HECから木村智美さんが発表をしました。

発表を振り返り、木村さんは印象深い患者さんへとのかかわりを通じて、自分のケアパターンを認識したこと

そのプロセスは辛くもあったが、看護師として生きていくうえで欠かせないことであったと話してくれました。

対話集会では、参加者の看護に対する熱い思いを持った看護師に大勢出逢い、勇気づけられたそうです。

詳細はこちらのニューズレターをご覧ください。

http://www.newmanpraxis.gr.jp/

後半は、ある女性がん患者さんが、突然に自分の過去について語りはじめ、A看護師と心を通わせた事例を共有しました。

患者さんの物語は、A看護師の体験と共通することが多く、対話は尽きなかったそうです。

A看護師は、「なぜ今、突然私に過去を語ったのだろう、多くの一致する体験は偶然なのだろうか」と不思議に思っていました。

参加者からは「A看護師のそれまでの何気ない関わりが、その患者に語りたいという思いを起こさせたのでは」

看護師が言葉でI care you のメッセージは伝えていなくても、その人に関心を注ぐことで、患者は語ることができるのかもしれません。

また、その時間、環境といった状況も関係があるのかもしれません。

そう思うと、その時のケアは一生に一度しかなく、尊いものです。患者さんや家族、あるいは学生に対して、一度きりの関わりを大切にしたいと思いました。

第5回N-HECを開催しました(9月6日)

2018年11月6日 火曜日

今回は、来月に控えた「ニューマン理論・研究・実践研究会」の対話集会にむけた予演を行いました。

これまで、一緒に事例を検討してきたメンバーが発表を聞き、「ナースの気持ちが手に取るようにわかる」

「事例を振り返ったことで、こんな気づきがあったんだ」と、関心をもって聞いていました。

来月の対話集会では、この話題提供が大きな対話の輪を生むことを期待したいと思います。

後半は、論文の抄読をしました。本日の論文は

「宮原知子(2018)緩和ケア病棟における患者と家族にとっての意味深いケア環境の創出過程の可視化

~ミューチュアル・アクションリサーチの手法を用いて~,日本がん看護学会誌,32巻,p78-87」

です、病棟師長である著者が、病棟看護師と共に20回にわたる対話を通じて、病棟の看護、つまりは患者と家族にとっての環境を変容させていくプロセスが報告されていました。

抄読を終えた後、参加者からは「これを成し遂げるには、スタッフみんなが取り組むことに意義を感じ、モチベーションを維持することが重要だろう」

との声が上がりました。忙しい病棟の中で、長期的に対話の会を持つことは多大な苦労があるからこそ、アクションリサーチの初期段階の

参加する人がみんなの願いを明らかにすることは非常に重要であると感じました。

この論文のように、ニューマン理論に基づく実践が、日常の看護に根付いていくことは、簡単なことではありません。

しかし、ニューマン理論を学び、実践に取り入れるナースが1人でもいれば、きっと周囲のナースも影響を受け、その部署の看護は変わると思います。

可能性を信じて、学習を継続したいと思います。

 

H30年度 第4回N-HECを開催しました(7月14日)

2018年7月20日 金曜日

今回は、前回に引き続き、事例の振り返りをしました。

しかし、まずはニューマン理論における倫理の考え方を確認しておく必要があると思い、「ケアリング・プラクシス 第3章 看護倫理とケアリング」を抄読しました。

ニューマン理論における倫理は、全ての人への適応を前提とした「倫理規則」とは違います。

目の前の患者さんにとっての最善を考え、ナースが自己のセンターに立つ「徳の倫理」です。それは、時にはルールに沿わないこともあります。

自己のセンターに立つ、ということは、ナースの勝手な思い込みではなく、患者さん(および家族)と共鳴し、相手を深く理解すること無くしてはあり得ません。

ケアリングは、様々な定義があり、抽象的な概念です。ニューマン理論では、「相手を知りたいと願うこと、相手の成長を信じて共に居る(物理的距離ではなく)こと」であると、理解しています。

この前提に立てば、毎日の看護実践はとても豊かになり、短い時間であってもケアリングの関係は築けるのではないかと思います。

後半の事例の振り返りでは、前回Aさんが語ってくれた内容を、ありのままに図と文字で示したものを用いてみました。

Aさんは、「そうか、そうだった、私はその時、そう思っていたんだ。」と何度もつぶやき、納得をしていました。やはり、自分自身を客観的に見つめるには、非常に意味があることだったようです。

参加者からは、Aさんと患者Bさんの変化がありありと分かるという声が上がり、パートナーシップの始まりや両者の囚われていたものなど、気付きを共有しあいました。

この詳細は、10月28日に首都大学東京で行われる、対話集会で発表します。ご興味のある方は、是非ご参加ください。

 

H30年度 第3回N-HECを開催しました(6月16日開催)

2018年7月20日 金曜日

今年のN-HECの大きな目標は、10月に首都大学東京で開催される、ニューマン理論・研究・実践研究会の対話集会での発表(話題提供)です。

これまで検討した事例の中で、印象深い1事例についてもう一度振り返り、発表することになりました。

これまで私たちは、ニューマン理論や、その背景となる理論に戻りながら、実践を振り返る試みを続けてきました。

まだ、ニューマン・プラクシスの実践としての話題提供には及ばないのですが、N-HECの事例検討の様子も分かっていただけるかと考えています。

このような理由から、今回から2~3回にわたり、話題提供の事例をもう一度検討することにしました。

当事者であるナースAさん(参加者)は、改めて患者Bさんとの出会いから現在に至るまでの出来事や、自分自身の変化について語ってくれました。

この事例では、ナースであるAさんに焦点を当てて考えてみることにしました。Aさんは、第1回のスタートから一緒にニューマン理論を学んできたナースですが

次第に、ニューマン理論の眼鏡で現象を捉えられるようになってきたようです。

語っていくうちに、自分自身の囚われに気付く一方で、どうすればよかったのかと悩んでいました。

そこで、Aさんが自身のケアパターンに気付くために、今回語った内容を他の参加者が文章や図で表してはどうか、という提案がありました。

もちろん、表象図を用いることで、パターン認識を促すという意図です。

さて、次回のN-HECでAさんはどのような気付きを得るのか楽しみです。

H30年度 第2回N-HECを開催しました(5月12日)

2018年5月14日 月曜日

今回の学習会では、「拡張する意識としての健康」第4章・拡張する意識の開示を抄読しました。

これまで、基礎となる理論や、関連論文でニューマン理論の理解に努めてきましたが

改めて、理論の立ち戻り、ニューマン先生の言葉を確認したいと思いました。

ここには意識に強く関連する「運動・時間・空間」と、それらの関連性について述べられています。

この概念は、意識の進化に関与しますが、「そもそも、意識の進化と拡張ってどう違うの?」というメンバーの一言をきっかけに、

ヤングの意識の進化のスペクトルと、運動・時間・空間を重ね合わせて考えました。

また、人工呼吸器装着の意思決定を迫られたALS患者さんの事例から、この患者さんの意識はどのようなレベルにあったといえるのか?

それは、意識の進化なのか、拡張なのか??

など、ああでもない、こうでもない・・と多くの時間を費やし検討をしました。

そのプロセスは、苦痛どころかとても楽しく、「ニューマン理論が分かってきたと思っていたけど、やっぱり分からない!」と

追求することが山のようにある、ワクワクした気持ちになりました。(私だけではなく、参加者みんながそうであったと思います!)

明確な答えを探すのではなく、どこに行きつくかもちょっとわからない、そんな楽しい時間でした。

今回の参加者です。ヤングの意識の進化のスペクトルの図を前に。

H30年度 第1回N-HECを開催しました(4月14日)

2018年4月27日 金曜日

4月14日、平成30年度第1回目のN-HECを開催しました。

今回は、「ケアリングプラクシス」の第5章‟術前外来におけるスタッフと患者のための治療環境の創造”と

第6章‟理論的であることはすなわち実践的である”を抄読しました。

今回、プレゼンテーションを担当してくれたメンバーは、病棟の管理者の経験から「ケア環境を整える」という内容に興味ち、第5章を選んだ、と話してくれました。

この文献では、ボストンの総合病院における、入院前看護実践モデル(Predmission Nursing Practice Model:PNPM)が紹介されていました。

手術が決まった患者は、様々な検査や他部門の問診・オリエンテーションと目まぐるしい予定をこなすことになります。

この病院では、以前より術前ケアを外来で行うために、入院前外来(Preadmission Clinic:PAC)が設置されていました。

この場所で、単なる業務ではなく、術前患者のネガティブな感情やその他、患者が抱える問題に対応しようと、2年の時間をかけてニューマンプラクシスに基づいたPNPMが開発されました。(モデルの詳細は書籍をご参照ください)

PNPMの開発プロセスにおいて、看護師らが看護の使命を探究し、実践に理論を結び付けていく様子は非常に興味深いものでした。

参加者は、「ニューマン理論が、一人の看護師から周囲の看護師波及する様子が分かる、こんな職場で働きたい」や

「病棟の看護を変えたい、と思っても自分一人ではできない。いつもジレンマを感じる」といった率直な感想を述べていました。

ニューマン・プラクシスでは患者と看護師が共鳴し合い、互いが洞察によって新たな気付きを得ることで、行動が変わるといいます。それは、看護師同士、医療者間でも同じことが言えます。ニューマン理論を学んだ私たちメンバーが、同僚と共に変化を遂げられると信じることが大切だと感じました。

 

H29年度 第9回N-HECを開催しました(3月10日)

2018年3月19日 月曜日

3月10日、今年度最後となる第9回目の学習会を開催しました。

今回は、ベントフの「超意識の物理学入門」第1章を抄読しました。

ニューマン理論の主要概念の「意識」は、ベントフの主張を基盤としています。

また、ニューマン・プラクシスにおいて、看護師と患者の成長を可能する根拠としては、「ホログラムモデル」の理解が必要です。

物理学というと、非常に難しく、本を開くこともためらわれます。しかし、この書籍はイラストによる図解や、身近なもとでの例えが数多く引用されており、親しみやすいものでした。

抄読後、ホログラムモデルについて意見交換をしました。人と人の持つ波長の違いを知ること、自分の強い波長を発していると、時には相手を飲み込んでしまい、干渉パターンは生まれないのではないか・・相手の波長を知るには、まずは自分の波長を知ることが不可欠だと話し合いました。

これは、自己のパターンを知るということではないかと理解しています。

「意識」という概念は、ニューマン理論では、よく理解が難しいと言われます。概念を正しく理解したうえで、ニューマン・プラクシスの実践に臨めるよう、今後も学習を重ねていきたいと思います。

 

今年度は、合計9回の学習会を開催することができました。

いつも参加してくださるメンバーに加え、今回も新たな仲間が加わりました。来年度も、小さな一歩で前に進んでいきたいと思います。

来年度の学習会の予定は、本HPの「学習会のご案内」の記事をご参照ください。

 

H29年度 第8回N-HECを開催いたしました(2月17日)

2018年2月20日 火曜日

今回は、先月に引き続いてDavid.  J. Bohmの「ダイアローグ 対話から共生へ、議論から対話へ」の第2章を抄読しました。

事例検討はお休みで、3時間半どっぷり抄読会と、意見交換でしたが、話題が尽きずに時間オーバーとなりました。

前回の抄読会で、対話について理解しつつあるものの、日常の中で周囲の人との関わる場面で、あるいはミーティングなどで対話を取り入れるにはどうしたらよいのか?という疑問も残っていました。

病院や教育機関で働く私たちには、上下関係があったり、話し合いでは結論を導くことを求められることが多々あります。

このようなとき、対話のように結論を求めず、参加者がフラットな関係で話しあうことには限界を感じてしまいます。

そのため、自分の考えをありのままに伝えられないジレンマに陥ることがあります。

抄読会を通じて、目的を持った話し合いの場では、完全に(ボームが言う本来の)対話を取り入れることは難しいと認めること、

まずは、話し合える環境・・つまりは、日ごろの人間関係によって相手を信頼できるという土壌をつくること、

自分を客観的に見る努力を継続すること・・・などによって、対話ができるようになっていくのではないか、と考えました。

ニューマン理論が大切にする、全体論の視点で物事をとられられるようになると、目的を持った話し合いの場面でも、より創造的な結果を導くことができるのではないか?と思います。

対話について学ぶ機会は、ニューマン理論の基盤を理解することに非常に役立ちました。これからも、ボームの主張にも戻りつつ、より理論の理解を深め、実践に繋いでいきたいと思います。

来月は3月10日(土)13時半~開催です。今年度最後の学習会です。是非ご参加をお待ちしております。