2017年7月

H29年度 第4回N-HECを開催しました(7月8日)

2017年7月11日 火曜日

7月8日(土)に、第4回N-HECを開催しました。

本日の参加者は8名で、新たに脳卒中の認定看護師さんが参加してくださいました。

がん看護領域以外の様々な専門分野の看護師が揃い、普段気づかないような視点を与えてもらえることは、N-HECの大きな強みであると思っています。

 

さて、この度抄読したのは、『存在することの力』がテーマの論文(*)です。

翻訳を担当したメンバーが「難しい論文だった」と感想を述べた通り、抄読後しばらくの間、参加者からは言葉が出ず、

論文を何度も読み直しながら、これまで学んだことや自身の看護体験とのすり合わせを試みる時間が続きました。

そして、「存在することを受け入れられることが前提になる。どういう看護師のありようが患者さんを語りに誘うのか?」というディスカッションになりました。

また、ニューマン理論の「I care you」の伝え方によっても、全く違う結果が生まれるのではないかという意見もありました。

これらに対するディスカッションから、「私がこうしたい、変わってほしい」という気持ちではなく、「私にあなたを助けさせてほしい」という心のありようと、そのメッセージを伝える事が重要だと学びました。

このメッセージは、多くの場合言葉で伝える事が多いものですが、ある参加者の看護実践の紹介から、

ダイレクトな言葉はなくても、看護技術の提供でもそれが可能なのではないか?という気づきが生まれました。

患者さんが何を求めているのかをキャッチし、それに沿える看護技術が提供できれば、患者さんの信頼を得ることができ

(つまりは存在することを受け入れられる前提が整い)、患者さんの語りが促される、患者さんが変容できるのではないか・・と考えました。

以前から、日本人が口にすることが少ない「I care you」をどう伝えるかは関心事であり、疑問でした。今回は、その手掛かりがみえるような機会でした。

後半は、救急病棟における終末期患者さんの家族への看護実践について事例検討を行いました。

病気の成り行きを読み、「今だ!」というタイミングをはかり、家族に介入する熟練した看護実践の報告に参加者から賞賛の声が上がりました。

事例提供者は、「対話をするという介入ではなかったが、ニューマン理論を学んだので、看護師は家族と同じ大きさの車輪となり、パートナーシップを組むことが必要だと思っていた」と語ってくれました。

これからも、ニューマン理論を学ぶと、日ごろの看護が変わる体験をこの場で共有していきたいと思います。

8月は休会です。次回は9月9日(土)の予定です。ご参加お待ちしております。

*Guenther M.B(2011).Humanties Art,Language, and Spirituality in Health Care Healing:The Power of Presense.A refurection healing, Jurnal of Pain and Symptom Management,43(3),650-654.