2020年2月

令和元年度 第6回N-HEC休会のお知らせ

2020年2月28日 金曜日

コロナウイルス感染のさらなる拡大が懸念される現状にあり、

3月22日に予定しておりました学習会は休会とします。

現在のところ、4月は学習会を開催する予定ですが、今後の予定につきましては追ってお知らせをいたします。

 

令和元年度 第5回N-HECを開催しました(2月8日開催)

2020年2月17日 月曜日

今回は、前回のアクションリサーチの基礎的な学習内容を踏まえて「ケアリングプラクシス 第13章」*1を抄読し、ニューマン理論に基づいたアクションリサーチの実際を学びました。この章は、日本の病院で看護研究者と臨床ナースが取り組んだミューチュアルアクションリサーチを紹介しています。ミューチュアル(mutual)とは「相互の」を意味しており、研究者と参加者の相互依存的な関係を大変重視します。そのため、よりニューマン理論に馴染む研究デザインです。

このアクションリサーチでは、8つの局面があり、局面1~4までがプロジェクトの準備段階、後半の局面5~8が実践の段階と言えます。まず、準備段階ではニューマン理論を実践に適用するために参加者(臨床ナース)が理論を理解できるよう支援すること、対話ができる豊かな環境づくり、そして参加者の“願い”を明確化していきます。この段階でのポイントのひとつは、“問題”ではなく“願い”を明確にするということです。このアクションリサーチ(プロジェクト、と言った方が適切かもしれません)は、問題が解決できれば達成されるのではなく、こうなって欲しいという願いをもって臨むことで、新たな成果を生むのだと解釈し、プロジェクトに携わる全ての人の意識が拡張していくプロセスの出発点は、実現したいと願っていることの明確化であることを学びました。問題を見出そうとすると、原因を追究したくなったり、批判する対象(人や状況)が生まれます。そうではなく同じ願いを持つことで、参加者の力がより発揮されるのだと思います。

そして、実践の段階では一人ひとりのナースが看護実践の過程で幾度も立ち止まり、自分と向き合って「自己のパターンを認識」することが何よりも重要で、それによってチーム全体の進化(意識の拡張)が導かれるだと分かりました。

この学習会では、何かに縛られず会話が出来る―表現は難しいのですが―自然体で話をしている自分に気づきます。今回は、この学習会に参加して「自分が変わったと思うこと」を参加者それぞれが話しました。看護の実践の場面で患者との関係性をより大切にしている、自分を意識するようになった、患者は私たちとは思考が違うことに気づいて関りが変わった、相手のパターンを知ろうとするなどの発言がありました。私たちの自分理解や自分の成長もこの学習会だからこそ、恥ずかしがらずに言葉にできます。興味を持たれた方は是非、この学習会に気軽に参加してみて下さい。

*1 遠藤恵美子ほか(2005/2013),第13章アクションリサーチチームの創出,キャロル・ピカード他(著)遠藤恵美子(監訳),ケアリングプラクシス,(pp.191-202).すぴか書房