2022年

11月12日学習会レポート

2022年11月18日 金曜日

みなさま、こんにちは。

ここ数回の学習会のご報告できておらず、申し訳ございません。

今年度も、コロナ感染拡大状況に合わせて学習会日程を調整したり、開催方法を検討する状況ですが、

11月12日(土)久しぶりに対面で学習会を開催しました。

参加者は5名、加えて参加メンバーのお子様2名です。育児休暇中にもかかわらず、お子様連れで参加をしてくださいました。

今回は、ニューマン先生の論文「Caring in the Human Health Experience」を抄読しました。

この論文は、遠藤恵美子先生からご紹介いただいたものですが、全体論におけるケアリングの考え方を学ぶうけで重要な論文です。

看護学では、様々な学者たちがケアリングを定義し、探求しています。

ニューマン先生は、ケアリングを明確に定義していませんが、看護師の使命であり「しなければならないこと」と明言しています。そして、知ること―パターン認識はケアリングの一形態だと述べています。

ニューマン理論が根付いたナースが患者をみるとき、その人を全体性の存在として捉え温かな愛情を持って関わるでしょう。

そして、患者のパターン認識を助ける過程で患者と共鳴し、看護師自身の意識も拡張していきます。これが患者と看護師の関係の核となるケアリングの関係であるのだと理解しています。

臨床では患者さんとじっくり関わる時間をもてることは少ないと思います。しかし、時間ではなく「何に気づけるか」なのです(これは、前日行われたNPOニューマン理論・研究・実践研究会の学習会で共有されたことです)。

抄読会の後の対話では、日々の看護実践と結びつけながらその意味を考えました。

ニューマン理論を学んだからこそ見えるものは何か、看護実践の違いは何か・・・自分自身の変化を振り返りました。

 

やはり、顔を合わせて学び合うことは楽しいひと時でした。

次回は1月に開催予定ですが、コロナ感染第8波に入ったと言われており、対面は難しいかもしれません。

また前のように・・と言いたくなりますが、ニューマン理論では「元に戻ることはない、進化する」のです!

どのような状況でも学び合い、絆を深めることができると確信しています。

 

令和4年度第1回学習会を開催します(5月28日)

2022年4月26日 火曜日

ホームページをご覧いただきありがとうございます。

令和4年度になり、もう1か月が過ぎようとしています。

今年度第1回目の学習会を5月28日(土)14:00~(対面orオンライン:前週には決定)に開催することにいたしました。

今回も論文の抄読会を予定していますが、久しぶりの学習会ですので、コロナ禍で様々な経験をされたことを含め、

最初はざっくばらんに近況を分かち合い、臨床看護実践や教育の課題・展望など前進するための対話をしたいと考えています。

ここ2年間は積極的に学習会を開催できませんでしたが、withコロナの時期を歩む中で、学習会も元通りの活気を取り戻したいと思います。

少人数で和気あいあいとした学習会です。是非ご参加ください。

参加を希望される方、もう少し学習会について聞いてみたいと思われる方は以下のメールアドレスにご連絡ください。

メールアドレス:rie.9-19@tenriyorozu-u.ac.jp  担当:松井

令和3年度 第3回学習会を開催しました(12月11日開催)

2022年1月6日 木曜日

 12月11日に令和3年度の第3回学習会をリモートで開催しました。私たちは画面の中で「久しぶり」と手を振り、いつものようにまずは近況を話すことからはじめました。この時期は新型コロナ患者数が減少している状況にあり、臨床はほぼ平常の忙しさに落ち着いているようでしたが、参加者は旅行や会食には気乗りせず、相変わらずをされていました。やはり、医療者である立場上、自分が新型コロナウイルスに感染した場合の職場や家族への影響を考えると、まだまだ感染対策を緩めることができないという責任を感じていました。このような中で学習会のメンバーが顔を合わせ、看護を語り合い学ぶことは意義深いことであると考えています。

 さて、今回の学習は、前回の続きでミューチュアル・アクションリサーチ(Mutual Action Research:以下MAR)をテーマとしました。前回学習したMARの特徴を復習したあと、三次真理先生・遠藤惠美子先生著の書籍「ミューチュアル・アクションリサーチ」第3章を抄読しました。

 抄読を通して私たちが最も感銘を受けたことは、看護師たちのケアの「願い」を実現するためのプロセスです。看護教員と臨床看護師のパートナーシップが成立するまでの過程は簡単ではなく、多くの時間をかけて対話が繰り返されていました。このプロセスにはかなりの忍耐が必要ですが、なぜ乗り越えることができたのか―それは、立場や考え方は異なっても、患者や家族に良いケアを提供できる豊かな環境でありたいという「願い」の共有ができたからです。これはMARにおいて最も重要なことであると理解できました。 

 また、この書籍に描かれていたMARに参加する看護師たちは、とても生き生きとしていることが印象的でした。私たちが臨床看護師として研究をするとき、時間の調整などの苦労が多くありました。振り返ってみると、「研究をすること」が目的になっており、研究活動が楽しいと思えず苦痛にさえ感じてしまうことがありました。しかし、このMARの研究方法では、普段からそれぞれが思い描いている「願い」について対話が繰り広げられ、患者や家族に寄り添った看護実践を実現することをめざしています。実践と研究に境界はない、だからこそ研究者たちの達成感や成長にも繋がることが分かりました。

私たちはこれまで、ニューマン博士が推奨するケアリング・パートナーシップは、繰り返される対話の過程で進化することを学んできました。今回の抄読でも、パートナーシップを築くためには、ともに進化していくための対話の過程そのものがまずは重要であると感じました。

 次回からも他の章の抄読を継続し、MARの具体的な実際の学びを深め、いつかMARの実践をしたいと思います。